今の自分の仕事に感謝の気持ちを持つ方法

Disney は今では大手メディア企業かもしれませんが、始めは不動産事務所の後ろ半分の場所で映画を制作していたことをご存知ですか?

Google もその始まりは、決して大規模ではありませんでした。小さなガレージで、会社設立の成長過程の何年かを費やしました。共同創立者である Larry Page 氏と Sergey Brin 氏は、同社が成功を収めることは想像できなかったと話しました。

Nike の共同創立者である Phil Knight 氏は車のトランクに詰めたスニーカーの手売りから始めましたが、当時は他にやりたいことが何もなかったと語っています。

現在は大手企業であるこれらの企業にとって創業間もない時期は、有意義であり重要でした。しかし、それらの企業が大きな成功を収めた後、今となってはそれも簡単に言えます。

現実を受け止めましょう。後から振り返れば自明ですが、今この瞬間に自分のキャリアの現状に感謝することは難しいことがあります。

現状に感謝することが大変難しい理由

感謝の気持ちは自然と生まれてくるものだと思われるかもしれません。愛らしい Disney のキャラクターのように、楽しんで、太陽の光を肌で感じながら人生を歩んでいく自分自身を想像してみましょう。

しかし、実際はどうでしょうか? 私たちのほとんどは、感謝の気持ちを持つことに悪戦苦闘しています。その理由は次のとおりです。

1. 後ろ向きの考えが生まれつき備わっている

自身のことを楽観主義者だと思っているかどうかに関わらず、私たちは皆、元々後ろ向きに考える傾向があります。これはネガティビティ バイアスと呼ばれていて、ポジティブな体験よりもネガティブな体験に注意が向くということです。

ネガティブな体験を説明するための言葉でさえも、楽しい体験を説明するための言葉よりも豊富で多様です。私たちが職場での不調な日を「悲惨、屈辱的、不愉快」などと表現するのに対して、好調な日を単に「良好」と表現する理由について、十分に説明がつきます。

これがキャリアの現状に感謝することとどのような関係があるのでしょうか。業務に関して満足できない内容すべてに集中するように脳がプログラムされていると、それと同時に感謝の気持ちを持ち難くなります。

2. 他者を成功のバロメーターとして見なす

「人と比較することは幸せを失うことである」という言葉を聞いたことはありますか? 残念ながら、社会的比較はもう一つの生来の心理的現象です。自分を他者と一致させることで、自身のステータスを理解しようとします。

あいにく、ソーシャル メディアの利用が増え続けるにつれて、すばらしい成果はより簡単に保存できるようになりました。他者の「ハイライト リール」に簡単にアクセスできますが、それを見て最高の気分になることはありません。大学生によるある研究で、ソーシャル メディアの利用を毎日 30 分に制限している人は、3 週間の研究期間後に非常に気持ちが楽になっていることがわかりました。

こうして常に他者と比較していると、気分を損ねるだけでなく感謝の気持ちを妨げることにもなります。結局のところ、キャリアにおける現時点の成果に満足できるかもしれませんが、大学の元ルームメイトが昇進したり、出版契約を結んだりしたらどうでしょうか。突然、後ろ向きの考えが浮かんできます。

3. 目標指向になることに強烈なプレッシャーを感じる

マインドフルネスの実践方法に関するアドバイスが溢れ返っている理由が 1 つあります。それは、今を生きるのは非常に大変だからです。それは、私たちが次に起こることに常に目を向ける習慣が身についているためです。

次のような質問をすべて聞いたことがあるのではないでしょうか。5 年後、あなたは何をしていますか? 長期的なキャリアの目標は何ですか? 新年の抱負は何ですか?

ハッスル文化、遂行的仕事中毒、他の現在流行っている言葉であれ、何と呼ぼうとすべて同じです。要するに、現状よりも大きな目標に向けて仕事に打ち込むには、私たちは堂々とした凄腕や実行家になる必要があると感じています。常に将来を注視していると、現状に満足することが難しくなります。

自分のキャリアの現在地に感謝するべき 4 つの理由

言うまでもなく、感謝の気持ちは直観に反することがあります。職務上の進歩を他者と比較したり通常の勤務時の不満をもらしたりする (また Zoom ミーティング?) ことに慣れている場合は、今この瞬間のキャリアの現在地に感謝することが身についていません。

しかし、キャリアの現在地にいる自分を褒めるべき非常に説得力のある理由がいくつかあります。そうです。(来週、来月、はたまた来年ではなく) 現在地です。

1. 多くのことを学んでいる

あなたが持っている経験のすべては学習体験であり、スキルを得るためだけではありません (これについては後述します)。キャリアのそれぞれの段階で、非常に貴重な情報を得られます。

• やりがいを感じるタスクや責任はどれですか? 嫌悪しているものはどれですか?
• どのような職場環境で業務に取り組んでいますか?
• どのタイプのリーダーシップに共感しますか?

知識には感謝する価値があり、あなたはたった今、多くの知識を得ています。

2. スキル セットを構築している

あなたは自分の価値観や傾向について情報を収集しているだけでなく、スキル セットに構成要素も追加しています。すべての職位一つひとつで、履歴書を充実させるために利用できるような大小さまざまな業務が用意されており、次の職務でそれらの経験を活かせます。

何の役にも立たないと思われるような「気が滅入る」仕事でさえも、自分のニーズを主張する方法、扱いにくい人々と仕事をする方法、より回復力を高める方法など、重要な競争力を磨くために役立ちます。

そのため、現在の職務が希望しているものと一致していないとしても、時間を取って感謝しましょう。その職務は、目標に達成するための基礎を確かに築いているのです。

3. 貴重なつながりを築いている

あなたのネットワークはプロフェッショナルとしてのすばらしい資産の 1 つであり (今後も継続するでしょう)、キャリアのあらゆる段階で築く必要があるものです。

上司、同僚、ベンダー、クライアントなどとのつながりです。これらの人々はすべて、連絡先に追加するべき人々で、身元保証人、会社訪問、ジョブ シャドウイング、紹介、助言などでサポートしてくれる可能性があります。

単に書類に記載できる成果に基づいてキャリアを評価しないでください。構築している関係もすべて、賞賛と感謝に値します。

求職活動を検討している際には、つながりを大切にすることは特に重要になります。求職活動は厳しい状況になり得るため、ネットワークの人々がどこにいても、結びついてつながりましょう!

4. 明日は予測できない

現状に感謝するもう 1 つの理由として、現状は目に見えているということです。実際に、起こっていることです。

どれほど計画や予測をしても、未来はやはり不透明です。そのため、待ち望む未来はかなり漠然としたものになります。結局は、実際にまだ手にしていないものには感謝の気持ちは持ち難いものです。

そこで、マインドフルネスをいくつか実践して、この瞬間に対処できることに集中しましょう。あなたのキャリアは完璧ではありません (正直、完璧になることはないでしょう) が、それが現状であって、ここに到達するために頑張ってきたのです。

自分のキャリアの中で感謝の実践を実際に (継続的に) する方法

感謝の気持ちは元々持っているものではないと、今ではおわかりでしょう。しかし、感謝の気持ちを育むことは、ストレスの軽減、精神的な回復力の向上、自己肯定感の向上など、多くのメリットにリンクしています。

とはいえ、どのように実現したらよいでしょうか。キャリアの現在位置に関係なく、感謝の気持ちを実践できるヒントをご紹介します。

1. 感謝日記をつける

日記をつけるという話を聞いて呆れるのではなく、この内容をご覧ください。この実践は非常に簡単です。感謝に関する心理学の第一人者である Robert Emmons 博士によると、この方法は感謝している 5 つの項目を書き留めるだけで、極めて簡単なものだということです。

勤務の終了時、コンピューターをスリープ状態にしてデスクから汚れたコーヒー カップを持ち出す前に、ほんの数分を割いて、当日に感謝したことを簡単にリストします。次のような例があります。

• メール キャンペーンに関して、スーパーバイザーから好意的なフィードバックを受けた
• To Do リストの保留中のタスクを完了した
• しばらく連絡していなかった同僚とつながった
• 受信トレイがゼロになった
• すばらしい生産性向上のためのプレイリストを作成した

つまり、感謝日記の項目は、大きな人生を変えるような瞬間である必要はありません。小さなことでも良いのです。毎日感謝日記を書き留める練習をすると、今を生きることに役立つだけでなく気分を高められます。Emmons 博士による同じ研究では、これらの感謝日記をつけている人々は生活全体に関して満足できるようになったと報告されました。

2. 感謝の散歩をする

もう読んで字の如くです。一日の中で、デスクから立ち上がって外出し、運動を取り入れましょう。運動自体が良いことです。ヒポクラテスの言葉どおり「歩くことは人間にとって最良の薬である」です。しかし、歩くことと感謝を組み合わせると、その不思議な力が本当に増大します。

これは感謝の散歩と呼ばれています。15 ～ 20 分間、ひとり散歩するだけです (つまり、考える時間と空間を持てます)。感謝するキャリアのすべての要素について考えながら、散歩の時間を過ごします。感謝日記に記載した項目をいくつか振り返るのもいいでしょう。これらの項目を声に出して言ってみるのも素敵です。

形だけでやっているふりはしないようにしましょう、それらのさまざまな項目を実際にじっくり考えます。その日がどのように過ぎたかに関係なく、一息ついてキャリアにさらに感謝の気持ちを持てる確実な方法です。

3. 他者への感謝の気持ちを表す

キャリアの現状にさらに感謝できるようになったら、感謝の気持ちは共有すると一段と深くなるということを覚えておいてください。

ペンシルベニア大学によるある研究では、参加者には毎週、異なる課題が与えられました。それらの各課題を、初期の記憶についての記述を含む課題と比較しました。誰かに感謝の手紙を書いて届けるという毎週の課題を行った際には、参加者の幸福度スコアが大幅に向上しました。

これこそ、感謝するという姿勢を自分で止めるべきではないという証拠です。感謝日記の項目を見てみましょう、共有するべき項目はありますか? あるなら、同僚のアドバイスに感謝していることを本人に伝えたり、上司の賞賛や評価に感謝したりしましょう。そうした良い雰囲気と前向きな考え方は伝わりやすいものです。

仕事がないときに感謝の実践をする方法

現在は異様な時期です (何と控えめな表現でしょう)。その結果、多くの人々がキャリアで大きな困難に直面しています。

一時解雇、自宅待機、または不安定な経営状態の企業における勤務。それらはすべての不安を誘発する状況であり、それらの困難な状況を重い足取りで進んでいる中、肯定的な要素を見つけることは難しくなります。

このような状況で感謝の気持ちを実践するには、必要以上のコミットメントと強い決意も必要となるでしょう。しかし、ほんの些細なことでも、感謝することを見つけようとすることには価値があります。たとえば、貴重な紹介を申し出てくれた友人や、一歩下がってキャリアの野心を再評価する時間などです。

現在、このすべての結果として失業に対処している (圧倒的な不満を抱えている) 場合は、Oprah Winfrey がテレビに適した人格ではないということでニュース キャスターを降ろされたことや、Mark Cuban がコンピューターのセールスマンの職を解雇されたことを覚えておいてください。

現在は困難な状況ですが、この状態が永続する訳ではありません。この先には、もっと良いことがあるはずです。

今を大切に

今すぐ感謝の気持ちを持つことは難しい、これは間違いないでしょう。しかし、キャリアの過程におけるすべてのステップが重要であることを覚えておくことが大切です (そう、予期しない挫折や失望ですら)。

将来のキャリアへの意欲を持つのは素晴らしいことですが、目標に夢中になり過ぎて現状の自分自身を褒めることを忘れないようにしましょう。

もちろん、達成したいことは他にも多数あるでしょうが、あなたは現在地にたどり着くまで頑張ってきました。感謝の気持ちを持ち、時間を取って、そのことをじっくり考えてみましょう。