潮の満ち引きのように、ワーク ライフのシフトと流れは常にさまざまに変化しています。日々のタスクはほぼ一貫していることが多く、潮流のように予測可能ですが、常に予期しないことは起こるものであり、その変化の渦に巻き込まれ、業務の締め切りに間に合わない、また目標を達成できないといったリスクにさらされることがあります。
全体像を構成するすべての不確定要素や、急激な変化に対応するためのリアルタイム データを確認できないことは、ボトルネックや遅延、燃え尽き症候群などの原因になる可能性があります。逆に、組織内のさまざまな場所で業務が発生した際は、建設的な成長と会社の成功を見失って、チームがまとまるきっかけとなる機会を逃してしまいます。
しかし、このミッション クリティカルな情報すべてをまとめることで、Trello で変化をすべてリアルタイムで追跡して注意を払うべきことについてアラートを受け取れるとしたらどうでしょうか。何よりも、すでに日常的に利用しているボード上で Trello カードからすべてを実行できるとしたらどうでしょうか。
このため、すべてのユーザー向けに、それぞれのワークスペース ボード全体で作業を追跡して変化をリアルタイムで監視する革新的な可視化を実現する、ダッシュカードのリリースを発表いたします。「すべてのワークスペース ボードで自分に割り当てられているカード」、「今週が期限のカード」、「赤いラベルの付いているカード」など、データ セットをカスタマイズするためのフィルターを作成して、Trello ボードにある基準に合わせてこれらのカードをすべて追跡します。
ダッシュカードには、カード カバーとしてフィルターに適合するカード数が一目でわかるように表示されます。クリックすると、それぞれのセットを構成する個々のカードやメトリックに進めます。また、さまざまな業務でチームメイトやその他とのコラボレーションが必要になるため、ダッシュカードはボード上のその他のカードと同じようなものとして機能するため、これまで以上に全体的な観点で目標やプロジェクトに関して検討して報告する、まったく新しい方法を開拓できます。つまり、優先順位を付けてリスト全体で移動し、期限、メンバー、コメント、その他を追加できるのです。
この点を説明するために、ワークフローにダッシュカードを取り込む方法をいくつか紹介します。
- すべてのイニシアチブについて会社の概要ボードを構築して、何が進行しているか、何が進行を妨げることになるかの概要を把握します。
- 複数のボード全体の作業量を追跡して、自分が担当すべきことかチームの作業量として管理対象かどうかを確認します。
- さまざまなカスタム フィールドに格納されている商談を集計することで、営業パイプラインの健全性を監視します。
- トレンドとなっている機能リクエスト、バグ レポート、サポート ケースを常に把握して、カスタマー サクセスを常に最高水準で維持します。
今後のダッシュカードには非常に高い機能と能力が期待されますが、現時点で理解できる範囲の詳細について見てみましょう。
ダッシュカードを開始する
「簡単です」という言葉を軽々しく使うつもりはありませんが、最初のダッシュカードは本当に簡単に構築できます。基本的には、あれこれレシピに従っていれば、いつの間にか大量のデータを料理できる、と言うようなものです。当然ながら、誰でも料理が得意なわけではありません。そのため最もよくあるユース ケースのテンプレートによる「電子レンジ版 (簡易版)」のダッシュカードも用意しています。
以下の GIF の例を見ると、チームの毎週のミーティング ボードでは、予定されている全員の作業量の概略を簡単に確認し、それに沿って計画を立て、全員が予定どおり進行できるようにしたいと考えています。そのため、チーム メンバーごとにダッシュカードを作成して、ワークスペース ボード全体で期限の予定を記載して割り当てたカードを追跡できるようにします。
ダッシュカードの Power-Up を有効にして最初のダッシュカードを作成するには、次の手順に従います。
- ボード上の Power-Ups ディレクトリ、またはこのリンクから、ダッシュカードの Power-Up を追加します。
- これで、ボードのヘッダーに新しい [追跡] ボタンが表示されます (わからない場合は、ボード ヘッダーの [Power-Up] メニューに進んで [追跡] の横にある [...] をクリックし、[Show on board (ボードに表示)] が選択されていることを確認します)。
- ボードのヘッダーにある [追跡] ボタンをクリックして、[ダッシュカード] メニューを開きます。
- 8 つのダッシュカード テンプレートのいずれかを選択するか、[カスタマイズ] を選択して独自に作成します。
プロのヒント: リストの上部にある点 3 つのアイコンをクリックして [Track with Dashcard (ダッシュカードで追跡)] を選択することで、リスト上のカード数を数えるダッシュカードを作成します。
カスタム ダッシュカードを作成するには、次の手順に従います。
- [ダッシュカード] メニューから [カスタマイズ] タイルを選択するか、テンプレート ダッシュカードの [カスタマイズ] ボタンをクリックします。
- Trello ボードと同じように、追跡で計画した内容に合わせてダッシュカードに名前を付けて、そのダッシュカードにわかりやすい色や背景写真を選択します。
- フィルターのドロップダウン メニューから、カスタム フィールドを含めた追跡の基準を選択します。
- [Start tracking (追跡を開始)] をクリックして、ダッシュカードをボードに追加します。
- ダッシュカードはその他のカードと同じように、必要に応じて移動したり整理したりできます。
ダッシュカードをクリックして詳細を確認する
ダッシュカードのカード カバーにはそれに応じたカードとデータが集計されており、ダッシュボードをクリックするとそのカードの詳細を確認できます。カードの裏面には、次の 3 つの主要機能のある新しいダッシュカード セクションが表示されます。
- トグル。ダッシュボードを閲覧できる他のボード メンバーが、ダッシュボード フィルターに一致するカードすべての詳細を、そのカードのある元のボードへのアクセス権がなくても確認できるかどうかを、ダッシュボード作成者が選択できます (注: カードの編集とそのカードのあるボードへのアクセスについては、通常の Trello 権限が引き続き適用されます)。
- 最初に表示される、適合した 10 枚のカード。クリックすると直接移動できます。
- 「確認」のボタン。フィルタリング、適合するすべてのカードの並べ替え、メトリックと変更履歴の表示、アラートの設定を実行できて、作成者がダッシュカードを編集できます。
データを振り分ける
カードの裏面の [Explore and edit (確認と編集)] ボタンをクリックすると、適合するカードのテーブルが表示されます。データを扱うすべての人にとって、楽しい部分が始まります。
ダッシュカードのテーブル内には、列の非表示、並べ替え、ピボット、可視化を選択することで、最も自分に関連する情報を詳細に調べる機能があります。可視化する任意の場所をクリックするとテーブルが自動で更新されて、さまざまな優秀な機能を利用できます。

たとえば、前年度に受けた仕事の傾向を調べて忙しいシーズンのパターンを特定する場合は、[作成済み] 列を可視化して、カード作成の頻度の高い月ごとのホット スポットを確認します。頻度の高い日をクリックして、その日 (または月) にカードを作成して更新されたテーブルを確認します。それでもカードの数は膨大になりますが、誰に割り当てたかによってサブセットを可視化できます。これで操作が可能になり、作業量の分散を適宜管理できるようになります。
これによって前もって計画してチームが忙しくなる月に備えられるため、燃え尽き症候群を最小限に抑えて機会を見つけ、手が空いたときに新しいプロジェクトに取り掛かれます。
メトリック、履歴、アラート
カード上でカスタム フィールドを利用するチームがボードに関連する特定のデータ ポイントを整理する場合、ダッシュカードはカード数だけでなく数値カスタム フィールドから取得した情報を表示できます。これはダッシュカードの [メトリック] タブから選択できます。このタブから、合計、最大、最小、平均、または中央値を表示する任意の数値フィールドを選択できます。
[履歴] タブでは、時間を遡って過去の月に追跡したカード数の変化の履歴を確認できます。日付をクリックして、どのカードの追跡を開始したか、追跡を終了したか、追跡を継続しているかなど、カードの追跡の変化を確認します (この機能をご利用いただけるのは、Premium と Enterprise のお客様のみです)。
最終的に、新しいダッシュカードが優れたデータの原動力であっても、仕事は Trello の外でも発生します。数字の変化を 1 日中、ただ観察して待つ訳にはいかないでしょう。そのために、Slack チャネルやメール経由のアラートの投稿により、カードの数が一定のしきい値を超過した場合など、追跡しているカードに対する変化に応じて自分や他の人に通知されるアラートを作成してあるのです。ダッシュカードの作成者はアラートを [アラート] タブからのみセットアップできますが、任意の Slack チャネルや DM、メール受信者、あるいはその組み合わせに送信できます (この機能をご利用いただけるのは、Premium と Enterprise のお客様のみです)。
ダッシュカードをワークフローに組み込めば、これまで以上に作業を簡単に追跡できるようになることにご期待ください。

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