準備なしでブレーンストーミング セッションにチームを集めたいですね。数年前であれば、オフィスでみんなにおやつを持って会議室に集まるように頼んでいたでしょう。
現在ではどうでしょうか? 数年前のようにすばやく簡単にはまったくいきません。
オフィスに戻ろうとすると、現場で働いている従業員が数人、完全に在宅勤務を選択した人が数人、そして両立している人が数人いることに気づくでしょう。
この状況はリーダーにとって多くの問題を提起します。全員が情報を共有するにはどうすれば良いでしょうか? みんなが一緒にいない状態でポジティブなチーム文化を醸成するには、どうすれば良いでしょうか?いたらずらっ子のピンポン玉のように、オフィス チームとリモート チーム間を行き来することになるのでしょうか?
ハイブリッド チームの管理は困難に感じられるかもしれませんが、安心してください。可能です。働く場所にかかわらず、チーム全体が満足して高い生産性を発揮できるようにするためには何を知っておく必要があるのかについて、調べてみましょう。
まず、ハイブリッド チームとは何でしょうか?
従来、ハイブリッド チームは、オフィスで働く従業員とリモートで働く従業員という異なる 2 つのタイプの従業員で構成されていました。
しかし職場環境での流動性が高まり、この用語の定義は拡大しました。ハイブリッド チームは、働く場所を自分で選択しなければならない従業員で構成されます。
フルタイムでオフィスで働く人もいれば、フルタイムでリモートで働く人もいます。さらに、その日その週の状況に応じてオンサイトとリモートを使い分ける人もいます。
マネージャーにとっては、この自律性の高いアプローチは少し異質に感じるかもしれません。従業員が所定の日にどこにいるかを把握することは、最も基本的な職務の 1 つではないでしょうか?
しかし、職場チームのこのようなレベルの柔軟性は、すぐニュー ノーマルになるでしょう。アラブ首長国連邦で実施された Microsoft の調査では、ビジネス リーダーの 97% が長期的には働き方のハイブリッド化が進むと予想していることが分かりました。
ハイブリッド チームのメリットとデメリット
月曜日から金曜日まで従業員全員がオフィスに横並びで働く日常に戻れるでしょうか? 可能性は低いと思われます。特に Gallup の調査では、回答者の 53% がパンデミック前よりも在宅勤務の頻度を増やすと回答していることが分かりました。
オフィス チーム メンバーとリモート チーム メンバーの組み合わせは、リーダーやチームにとって多くのメリットがありますが、同様に課題と欠点もあります。
ハイブリッド型のメリット
- 従業員の満足度の向上: リモート ワークを好む従業員もいれば、オフィスでのフリー トークが好きな従業員もいます。従業員に自律性を与えて、自分で働く環境を選ばせると大きな変化が起きます。調査から、従業員の自律性が高まると仕事への満足度と幸福感が向上することが示されています。
- 従業員の定着率の向上: 従業員の満足度が上がると退職しなくなります。チーム メンバーの自由度がここまで上がると、より待遇の良い職場を探す可能性が低くなります。
- より多くの人材の確保: 心配ありません。リーダーにとってもメリットはあります。チームに新たな人材が必要な場合は、居住地に関わらず適正な人材を探せます。採用担当者の 71% がスキルの格差が原因で人材の補充に苦労していると言っていることを考えると、地理的な障壁がなくなることで適任の人材をより多く獲得できるようになります。
ハイブリッド型のデメリット
- ぎくしゃくした人と人とのつながり: 同僚との関係は非常に重要です。従業員が別々の場所で働いている場合は、関係の構築がより複雑に感じられる可能性があります。また、ハーバード ビジネス レビューでは、チームの出社勤務の従業員と在宅勤務の従業員の間には対立関係が生まれる可能性があると指摘しています。
- 可視性の欠如: マネージャーにとって、従業員の働く場所が分散すると各従業員の仕事の状況を把握することがより難しくなります。それは、従業員にとっても気がかりなところです。Atlassian の独自の調査では、従業員は「意識されなくなること」によって昇進の可能性が損なわれるのではないかという懸念が示されています。
- コミュニケーションの破綻: ハイブリッド チームでは、従業員同士の繋がりを作ることがより難しくなります。つまり、サイロが形成されて誤解が生まれる可能性があるということです。Buffer の 2020 State of Remote Work Report においてリモート ワークの最大の課題としてコミュニケーションとコラボレーションが挙げられているように、これは多くのリモート チームがすでに問題視している点です。
ポジティブで生産性の高いチームを管理する 4 つのコツ
おそらく次に浮かぶ疑問は、どうすれば潜在的な問題のすべてに対処しつつ、ハイブリッド チームのメリットを享受できるかということでしょう。
まず、これが学習プロセスであることを認識してください。ハイブリッド チームは多くのマネージャーにとって未知の領域であるため、ちょっとしたトラブルに見舞われる可能性があります。ハイブリッド チームの運用を学習プロセスと捉えれば大丈夫です。
十分な寛大さと忍耐を示す意思はすでにあるため、この新しい働き方の中でハイブリッド チームの運営に役立つ様々な戦略をここに示します。
1. リモート ファースト文化を醸成する
従業員の多くがオフィスに戻って、一部の従業員だけが在宅勤務の継続を選択することも十分にあり得ます。これらの数字が何を意味するかにかかわらず、リモート ファースト チームの運用はスムーズな職場の運営には最良の策です。
リモート ファーストであるとはどういう意味でしょうか? 端的に言うと、このアプローチはリモート ワークをチームのデフォルトにするということです。従業員はどこからでも仕事ができます。
現場で働く従業員がいる場合であっても、リモート ワークに重点を置くことでチーム全体が優れた仕事をするための適切なシステムとプロセスを整えやすくなります。これは、従業員があなたと同じ部屋のデスクで働いていても世界中のどこで働いていても変わりません。
場所にではなくコラボレーションにより重点を置くことを確実にするためには、次のような大きな変更と小さな変更があります。
- チーム メンバーがどこからでも (理想的にはどのデバイスからでも) アクセスできるツールを活用する。
- 重要なメッセージがサイロ化したり見逃されたりしないように、特定のプラットフォームにおけるコミュニケーションを一元化する。
- 参加者が在宅勤務する日であっても参加できるように、会議の招待にビデオ リンクを必ず含める。
- チーム メンバーが表情を見てお互いにコミュニケーションが取りやすいように、(オフィス内にいても) 全員に自分のコンピューターからビデオ通話に参加してもらう。
そのための最も簡単な方法があります。従業員は働いている場所にかかわらず、同じファイル、情報、リソースにアクセスできる必要があります。在宅勤務の場合は休憩室の無料のコーヒーは飲めませんが、その他の必要なものはすべて簡単にすぐに手に入る状態にする必要があります。
2. 期待に応えるために従業員を信頼する
従業員が様々な場所で働いていると、従業員のあらゆる行動に目を光らせたくなります。
それは持続できるものではありません (特にチームの規模が拡大している場合)。また信頼は、真の従業員の自律性にとって重要な要素の 1 つです。従業員が働く場所を選択できるようになるには、従業員を信頼して、各自が業務をいつどのように進めるかを決められるようにする必要があります。
そのためハイブリッド チームには、成果ベースの文化が最適です。そのためには、仕事の進め方よりも成果を重視する必要があります。
このような文化はどのようにすれば醸成できるでしょうか? まず、従業員が行う必要がある業務とその業務を遂行するための責任について明確な期待値を設定します。次に、どのように成功を定義するかについて明確にします。基本的に、何を目標に業務を進めるのかを明確にします。
主要業績指標 (KPI)、目標と主な成果 (OKR) などの SMART 目標または測定システムを使用すると、オフィス勤務とリモート勤務の従業員両方が業務の目標を把握できます。それによって、従業員への過剰な干渉を抑えられます。
3. 定期的なフィードバックを提供して勧誘する
働く場所にかかわらず従業員はフィードバックを求めるものですが、必ずしもフィードバックを依頼する方法が分かっているわけではありません。Reflektive が実施した調査では、従業員の 25% がどのようにマネージャーからフィードバックを求めたらいいかわからないと答えました。
すべての従業員との定期的な 1 対 1 の会議 (少なくとも月 1 回) をスケジュールして、日常の業務、課題、幅広いキャリア目標について話し合いましょう。
これは従業員の業務と成功に投資していることを示す良い方法であるだけでなく、ハイブリッド労働環境において上手くいっていることとそうでないことについてフィードバックを集める機会にもなります。以下に質問の例を示します。
- [オフィス/リモート/オフィスとリモートの組み合わせ] で働かれていますね。調子はどうですか?
- チームのコラボレーションについて上手くいっている点は何ですか?
- チーム メンバーが分散する中でどんな課題に直面していますか?
すべてを把握することは不可能であって、他人の心は読めません。そのためこれらの質問によって、質問しなければ聞き出せなかった懸念や問題を聞き出す機会となります。
たとえばリモート勤務の従業員が、オフィス勤務の従業員はプレゼンテーションが終わったときに画面共有をオフにし忘れることが多いとメンションするかもしれません。そうするとスライドが表示されたままになって、リモート勤務の従業員は他のチーム メンバーを見られなくなります。
一見ごく小さな問題ですが、リモート チーム メンバーがないがしろにされていると感じる可能性があります。そのため、全員が尊重されて一体感を感じられるように、チーム全体で取り組むことが重要です。
4. 社会的なつながりを作る機会を提供する
ハイブリッド チームの運営においてはロジスティクスには多くの注意が払われますが、感情的な側面はそれほど重視されません。
一緒に働く人と共有する関係は、幸福度、成果、ストレス レベルに大きく影響します。Gallup の調査から、職場に親友がいると強く感じている女性の方がそうではない女性よりも 2 倍以上仕事に専念できることが分かっています。
チーム全体が横並びで働いていない場合は、このような繋がりの醸成はさらに複雑になって、孤独感はリモート ワークの重大な問題となると報告されています。それだけではありません。オフィス勤務の従業員が定期的に雑談やランチをする機会がある一方で、リモート ワークを選択したチーム メンバーはさらに同僚からの孤立感を感じる可能性があります。
そのため、従業員の働き方の選択に関わらずに利用可能な社交の機会を提供する必要があります。その方法としては、以下のような例が挙げられます。
- Netflix のおすすめやペットの写真など、気楽なおしゃべり専用インスタント メッセージ チャネルを作成する。
- チーム会議の開始時や終了時に、近況報告や雑談のための時間を設ける。
- バーチャル雑学コンテストへの参加、バーチャル ハッピー アワーへの出席、生産性に関する公開プレイリストへの投稿など、リモートでも可能なチームの集まりや活動を計画する。
- 気軽に参加して、一緒に昼食を取ったりお茶したりできる常設のビデオ会議を開催する。
オフィス勤務とリモート勤務の各従業員が経験する文化を分断されたくないですね。そこで、すべての従業員が集まれるこれらの機会を提供すると、どこにいても強固な関係を築く上で役立ちます。
チーム全体を 1 つにまとめましょう (同じ場所にいなくても)
オフィスを覗くと従業員全員が横並びで仕事している様子が見られる時代は終わりました。ハイブリッド チームは当たり前になっています。チームがシームレスにコラボレーションできる方法を考える必要があるマネージャーにとって、ここまで高い流動性は気が滅入るかもしれません。
良いお知らせがあります。上記の戦略によって、同じオフィスで勤務していても世界中で勤務していても、連携して高い成果を上げるハイブリッド チームを監視しやすくなります。
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