テレワーク従業員が以前よりも孤立感、ストレス、不安を抱えて、精神的に落ち込んでいるとわかったらどうでしょう?
2020 年の春に Qualtrics および SAP が実施した 10 を超える業界にわたるグローバルな調査によると、75% の人が社会的に孤立していると感じ、67% の人がより強いストレスを抱え、57% の人が強い不安感を持ち、53% の人が精神的に疲労感を抱えていると報告しています。
これは当然、この上なく満足のいく統計データではありません。あなたのチームに当てはまらなければよいですが、新型コロナウイルスの流行以降、実際にはこれが多くのチームに当てはまります。現在、パンデミックから丸一年となり、全くオフィスに戻っていない従業員が多く存在するため、この割合は今後も増加する可能性が高くなっています。
企業は以前、仕事と従業員のメンタル ヘルスに関連するトピックを切り離していました。その領域はあまりに個人的である、または「タブー」でさえあると主張して、直接話し合うことはありませんでした。しかし、職場は従業員がほとんどの時間を過ごす場所であり (そうです、リモートでも)、精神的、身体的、感情的なウェルネスに大きな影響を与えます。世界的なパンデミック、突然の分散業務への移行、世界の政治的混乱が混ざり合う現在において、従業員がさらにサポート (特にリーダー チームからのサポート) を必要とする理由は理解に難くありません。
チームが徐々にオフィスに戻っているか、ハイブリッド ワーク モデルを導入しているか、どの場所で仕事に取り組んでいるかに関係なく、今こそリーダーが職場での従業員のウェルネスへの影響や、全社レベルでのサポート方法を把握するときです。
包括的なデジタル ウェルネス プラットフォームである Wellness Coach の共同創立者として、私たちの調査結果とウェルネスを向上させる役立つ方法をお知らせできることをうれしく思います。
テレワーク従業員のウェルネスを支えるべき 3 つの理由
拡大解釈のように聞こえるかもしれませんが、実際に従業員のウェルネスがビジネスの成功に直接影響を与えます。結局のところ、それぞれの従業員が協力して尽力することにより、会社の各領域を強化しています。従業員が最良の状態でなければ、その作業も最良とはならないでしょう。
調査によって裏付けられた、以下の 3 つの点を実行して、特にリモート チームの従業員のウェルネスをサポートできる方法を把握しましょう。
1. ウェルネスによる孤立感解消に重点を置く
同僚のデスクに立ち寄り、週末の計画やスターバックスのワクワクする新しいフレーバーについてお喋りする日々は、(多くのチームにとって) 終わってしまいました。その代わり、チームはホーム オフィスで一人で作業しています。異なる地域や、タイム ゾーンさえ異なる場合もあります。
最近、Forbes が世界の最適なワークプレースについて深く掘り下げた結果、テレワーク従業員の孤独と孤立が最大の懸念事項であると報告されていることがわかりました。その影響は、個人に与える影響以上にさらに波及する可能性があります。孤立の症状には、ストレス レベルの増加や誤った意思決定などがあります。会社のリーダーやマネージャーにとって、これらの症状は重要な責任を負う担当者の懸念すべき特徴です。残念ながら、孤立するということは、雇用者がこのような感情を検知するのが困難であるということでもあります。
「通常」の時期でさえ、孤独や孤立の影響を軽く扱うべきではありません。孤独や社会的孤立に関する心理学者による研究調査では、身体的および精神的な健康の面で、孤独や孤立が肥満の 2 倍、有害になり得ることが明らかになりました。
幸いなことに、これは、マネージャーやリーダーとしてチームでのバーチャル ウェルネス チャレンジをホストして従業員を集め、孤立感や孤独感を解消する良い機会になります。
たとえば、チームが直接一緒にいられない場合でも、週次の「ステップ」チャレンジをホストするように試してみましょう。チーム メンバー自身の時間に合わせて散歩に出かけ、親しみやすい「オフィス」コンテストに参加できます。自宅を出て新鮮な空気を吸い、グループ アクティビティを楽しむ最適な方法です。チーム メンバーが地図上のどこにいようと関係ありません。
2. ウェルネスの向上により、仕事の燃え尽き症候群を解消する
自宅が職場になると、従業員はより多くの日数、より長時間を仕事に費やす傾向があります。ノート パソコンが近くにあり、「オフィス」がほんの数歩のところにあると、典型的な「もう 1 件のメールを返信する」というシナリオがあっという間に雪だるま式に残業時間になってしまいます。ある研究によると、リモート従業員はオフィス ベースの従業員よりも、月間で 1.4 日多く働いており、その結果、年間で 3 週間以上も多く働いていることになります。
これは、テレワークの生産性向上やプロジェクトのタイムラインに関しては素晴らしいニュースのように思えますが、実際にはまったく逆です。限界まで仕事をすると、時間が経つにつれて、仕事の燃え尽き症候群になり得ます。世界保健機関によると、燃え尽き症候群とは、極端な職場のストレスがうまく管理されないことによって起こる症候群です。テレワーク従業員は平均的に働いている時間が長いため、当然ながら仕事の燃え尽き症候群になる傾向が強くなるということです。燃え尽き症候群を予防して管理することが、リーダーの職務の一部です。
キャパ オーバーおよび燃え尽き症候群の感情を管理する上で従業員をサポートするには、エクササイズ用の休憩時間や社会的交流を従業員のルーチンに組み込むように促すことが重要です。就業時間の前後にメール通知をオフにしたり、通常の睡眠スケジュールを維持したりするなどの簡単なステップによって、燃え尽き症候群の感情を寄せ付けないようにします。
プロのヒント: テレワークがもたらすニュー ノーマルにより、テレワークを行う従業員の多くが長時間連続して机に座っていることが判明しています。より健康的な習慣を促すために、Slack のインテグレーションをご提案します。3 ~ 5 分間のエクササイズで、従業員がテレワーク中に健康維持のために必要なストレッチや運動を昼間に行えます。
3. いろいろなことがうまくいっている従業員の生産性は向上する
「うまくいっている」の意味とは?
私からすると、苦労したり単に停滞したりしている状態から「レベル アップ」するというようなことです。うまくいっているとは、育ち、活躍し、楽しむということです。「うまくいっている」状態に到達するのは、おそらく個人によって異なると思います。まずは喜び、エクササイズ、心の安らぎ、食習慣、睡眠など、ウェルネスの基本的な領域から始めましょう。
従業員が、健康をもたらす精神面の平安、回復のための休息、体操、バランスの取れた食習慣、睡眠を毎日の生活の中で実現する方法を見つけられたら、すぐに実行すべきです。
Authority Magazine での最近のインタビューでは、私が瞑想を行うことによって、プライベートの生活において、またリーダーとしてどのようにうまくいっているかを説明しています。
「意識向上のための瞑想は、リーダーとしての自分に驚くほどの影響を与えました。意思決定に関してさらに取り組んで、社内や自分の人生でのあらゆる人々と良い関係を築くようになりました。また、自分の周りの世界を受け入れ、ビーチでの朝のランニングでは朝日の中で呼吸し、裏庭や、そこで取れるおいしい食物を楽しみ、自分がさらに生き生きとしているように感じます」
また、うまくいっている状態というのは、その場で止まらないということです。リーダーと従業員は同様に、促進されたウェルネスからメリットを得られるようになります。つまり、生産性を向上できます。『Journal of Occupational and Environmental Medicine』によると、ウェルネス プログラムの実施を成功させた企業は、生産性の回復により従業員あたり平均 $353 を節約しています。
企業文化にテレワーク従業員を支えるウェルネスを組み込む 3 つの方法
これまで、従業員のウェルネスをサポートすることがいかに重要かを学びました。しかし、従業員が生き生きとして、毎日最高の状態で出勤できるようにするには、どうしたら良いでしょうか。リモート企業文化にウェルネスを組み込むために、以下の 3 つの実行可能な方法の詳細をご覧ください。
1. 1 対 1 でのミーティングの一環として、ウェルネス チェックインを行う
マネージャーやリーダーのスケジュールには、ミーティングが詰まっていることでしょう。さらに仕事を増やしたくないかもしれませんが、従業員の状況を確認してサポートを提供する簡単な方法としては、1 対 1 のミーティングの際に時間を取って、真摯に従業員の状況を尋ねることです。
プロジェクトの締め切りやキャリアの向上のみを重視するのではなく、以下のような思いやりのある質問をします。
- 気力はどうですか?
- サポートできることはありそうですか?
- 自分自身のことに集中するために最後に休暇を取得したのはいつですか?
- 最近、自分の仕事についてどのように感じていますか?
- 人生で起きていることについて、話したいことはありますか?
コミュニケーションを気遣う文化を育むことで、従業員はより心地よく感じ始め、懸念事項やリクエストがあるとあなたに相談するようになります。従業員の一人が打ち明けることをためらっているように感じる場合、「実は先週、とても気持ちがくじけそうに感じていたから、明日はメンタル ヘルス休暇を取ることにしました。あなたが希望しているのも、このようなことですか?」など、自分自身の体験を提案してみてください。
誰もがストレスを感じて誰もがサポートを受ける資格があることを従業員に示すことで、従業員はその考え方を身に付けるように促されていると感じます。
2. 会社のウェルネス プログラムに投資する
あなたの会社では、必須の福利厚生として健康保険などを提供していますよね? 従業員のウェルネスの重要性に関して、ますます多くの調査結果が毎週発表されており、多くの会社がウェルネス プログラムを福利厚生として提供を開始しています。ウェルネス プログラムには多くの場合、社内ウェルネス チャレンジ、ガイド付き瞑想セッション、バーチャルのエクササイズ グループ、ウェルネス クラス、感情サポート サービスなどが含まれます。
従業員がより健全で幸福になって人間的なレベルで適切な意思決定を行えるようになることだけでなく、スマートな事業展開も目指しています。調査にその証拠が示されています。Community Preventive Services Task Force (CPSTF) (地域予防サービス対策本部) がレビューを実施して、医療介入に投資された 1 ドルごとに対して、医療費や生産性の損失を回避した従業員は $1.40 から $4.60 を回収したことが判明しました。
また、ウェルネス プログラムによって従業員が集結して、より積極的な環境を作り出せます。会社の拠点が同一場所にあっても分散していてもその両方が混在していても、問題ありません。Virgin Pulse の研究では、雇用主の 85% がウェルネス プログラムの成功は企業文化に好影響を及ぼしたと確信していることを示しています。
Wellness Coach などのプラットフォームでは、従業員特有のニーズや目標に合わせてカスタマイズされたプログラムを提供しており、プログラムの成功を証明するレポートも提供できます。プログラムは簡単に始められて、チームが健康的な習慣を実践できるように促します。次のチーム ミーティングを瞑想セッションで開始して、ストレス レベルが低下するのを確認してみましょう。
3. 休暇を提案するのではなく、休暇取得を必須化する
社内ウェルネス チャレンジ、ウェルネス プログラム、チェックインは、職場での従業員のウェルネスを維持する素晴らしい方法です。一方、重圧を減らして自分自身を大切にするために、従業員は実際に仕事から離れる必要があります。
多くの企業では有給休暇を提供していますが、実際に有給休暇を使用するように従業員に促すことを忘れがちです。解決策は、休暇の取得を必須化することです。
たとえば Salesforce などの企業は、従業員に毎月 1 回長い週末休暇を取得するように勧めています。その他の企業では、休日、創立記念日に休業して交渉の余地がない休暇を実施したり、従業員に付与された有給休暇の日数を知らせたりしています。
マネージャーとしての仕事は、休暇にこっそりメール連絡を行ったり会社休業中にオンラインでログインしたりしないように、従業員を見守ることです。
例示して導く必要があります。同様に休暇を取得して本来はオフラインである場合には、メッセージやメールへの返信を控えましょう。仕事に復帰する際は (できればリフレッシュして)、休暇の価値を伝えられます。「うわあ、自分にどれほどメンタル ヘルス休暇が必要だったか、わからなかった。もし必要なら、今後数週間のうちに休暇を取ることを皆にお勧めするよ。自分には必要だったよ」と簡単に話すことが役立ちます。
従業員が職場でサポートされていると感じられるように対策を取れますが、従業員がリフレッシュして出勤できる最適な方法は、まあ... 常に働いていることがないようにするということです。
会社のパフォーマンス向上にウェルネスを必要不可欠なものに
ウェルネスを企業文化に組み入れる恩恵は、従業員の気分が良くなり働きやすくなるだけに留まりません。従業員はさまざまなタスクを完了する人という域を超えて、健康状態が変動する一人の人間として評価してくれる会社で働くことに感謝するようになるでしょう。
これらのヒントを利用して、ウェルネスを企業文化の重要な部分に位置付けることで進歩を遂げ、結果として従業員は生き生きとした状態になります。
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