誰もが次のような経験をしています。あなたは 1 週間の休暇を取って目的地に飛び、ビーチに向かう準備ができています。ところが、砂に足を踏み入れる前に (ましてマルガリータを手に取ることなく) 仕事の通知で電話の呼び出し音が鳴ります。あっけなく、仕事から離れて休暇を取るという幻想は打ち砕かれてしまいます。
つまり「つながらない権利」を失ったということです。このコンセプトはまさにその名の示すとおりです。従業員が影響を心配せずに (休暇中かどうかに関係なく) 業務時間外には業務を離れる権利です。
従業員も雇用主も現在のデジタル ワーク環境における「労働時間」を判断することに苦労しているため、つながらない権利の定義はより困難になっています。リモート ワークが標準的な状況になると、オフィスは常に手の届く範囲にあります。
従業員のつながらない権利を守りながら業務時間外に安心して仕事から離れられるようにサポートすることで、ワーク ライフ バランスを実現する方法をご覧ください。
1. コミュニケーションへの期待を調節する
思いやりのあるコミュニケーションが基調となる文化を構築することで、ワーク ライフ バランスを優先します。現在実施しているコミュニケーション ガイドラインを細かく確認して、必要に応じて次の内容を反映するように調整します。
- 非同期コミュニケーションを標準化します。同僚から即座に返信してもらうことはルールではなく、例外とする必要があることを明確にしましょう。プロジェクトを前進させるために最大の返信時間を提示しますが (24 時間以内、月曜日 ~ 金曜日など) チーム メンバーはコミュニケーション ツールを年中無休で監視する必要はないことも伝えるようにします。Slack に対応するためにすべてを中断すると、従業員の集中力が途切れてしまいます。10 回のうち 9 回は返信不要です。
- 従業員に労働時間 (および時間帯) を Google カレンダーに記載してもらう。従業員が柔軟なスケジュールや時間帯で働くことを許可されている場合は、従業員が対応可能/不能な時間を明確にしましょう。この情報にアクセスできるようにすると、従業員は同僚の労働時間を尊重してスケジュールの混乱を回避できます。
- 「スケジュールを決めたら送信しない」ポリシーを活用します。全員が業務を行っていることを確認したら、受信者が「時間外」のときに Slack メッセージやメールを送信するのではなく、翌朝にするように従業員を指導します。時間的制約のないアイテムに関しては、従業員はリクエストの最初に「本件は緊急ではない」旨を言及する必要があります。そうすれば、業務時間外の急な返信は不要であることがわかります。
従業員がコミュニケーション方法をわかっていると、勤務が終了したらオン/オフを切り替える判断を下しやすくなります。明確なコミュニケーションを取ることで、夕食時にメール チェックしたり、翌朝まで待てるような質問に対する返信を必死に入力したりするプレッシャーを軽減できます。
2. 健全なワーク ライフ バランスの実現を後押しする
従業員には休暇や柔軟な時間を制限なく提供できます。ただし、従業員がその休暇を取得すると悪影響 (昇進を逃すなど) があると思っているとしたら、大きな問題があります。
休暇中や業務時間外に関係なく、柔軟な勤務スケジュールやリラックスする時間の取得を促進する社内ポリシーによって、より健全な職場環境の促進に取り組んでいるということを従業員に示しましょう。既存のポリシーを評価して、そのポリシーが次の点に関して明確な期待を示しているかどうかを検討します。
- リモート ワークの可能性。リモート ワークが可能なメンバーは誰ですか、またオフィスで勤務する従業員と比較してリモート ワーク従業員に対する期待は異なりますか? ネタバレを承知で書きますが、公平な職場ではそのようなことがあってはいけません。いずれにしても、従業員はリモート ワークに必要なものを正確に把握して、自分が楽しめるものであるか、はたまたストレスが増える可能性のある要素となるものであるかを判断する必要があります。
- 業務時間。会社は柔軟な業務スケジュール、標準化された業務時間、またはその中間の業務時間を提供していますか? 固定された時間単位の分担量がある企業では、従業員が期待されている週ごとの業務時間を正確に把握して、個人の境界を設定できるようにすることが重要です。
- 生産目標。たとえば、あなたが週 40 時間の業務に別れを告げて、より現代的な結果ベースの作業モデルを選択するとします。従業員には、週ごとに完了するように期待される作業量に関する指示書が提供されていますか? 柔軟性を取り入れて燃え尽き症候群を回避するには、従業員は自分の作業が終了したことを簡単に確認できる必要があります。
- 福利厚生の利用。従業員が利用できるすべての福利厚生 (補助的医療手当てや健康手当てを含む) を明確に伝えていますか? さらに重要なのは、これらの福利厚生について話し合う際に、上級管理職と人事は前向きな言葉を用いているか、またはうっかり福利厚生の利用を妨げていないか、という点です。福利厚生を利用できない、または利用するべきではないと従業員が考えていたら、利用しないでしょう。結果として、従業員は過労状態に陥ります。
雇用主は期待を事前に明確に定義することで、職場で許可されること、許可されないことに関する不確定要素の多くを排除できます。その結果、健全なワーク ライフ バランスによって、従業員は影響を心配せずに仕事から離れられます。
3. 休暇を尊重する
手厚い休暇ポリシーは単にすばらしいだけではなく、生産性の低迷を防ぐことにも役立ちます。LinkedIn による 2018 年の調査では、休暇を取得しない従業員はキャパオーバー感を抱えている (58%)、混乱している (21%)、職場における創造性が低下している (97%) ことが報告されました。
従業員にリフレッシュして元気に業務に復帰してもらうには、仕事から離れる時間を中断することなく楽しめるようにする必要があります。次のマナーに関するガイドラインの実施を検討して、同僚が不在の際に従業員にガイドラインを守るように促しましょう。
- 事前に「知る必要がある」情報を収集します。従業員の不在時には、同僚やマネージャーが介入してサポートする必要があります。各タスクの担当者を明確に定義している担当範囲に関するドキュメントを作成するように従業員に依頼して、そのプロセスを簡素化します。休暇が始まる前に、このリソースによって全員がつながって関連する詳細を収集し、担当範囲に関する質問を明確にします。
- コミュニケーションを取らない時間を促進します。業務時間外であっても、Slack 通知をチェックする衝動を無視するのは困難です。休暇中は業務上の通知をミュートして、そのチェック衝動も取り除くように従業員に促します。
- Zoom ではなく Loom を選択します。休暇後、長時間の Zoom によって遅れを取り戻すためにカレンダーに追加の時間を設けるのではなく、同僚が不在の際は Loom を利用します。同僚が復帰したら視聴や確認ができるビデオ アップデートを録画するように従業員に依頼します。
- 1 つの場所でアップデートを追跡します。自分の不在時に起きたことをオフィスに戻って確認しようとするほど最悪なことはありません。エンタープライズ レベルの作業管理システムを利用することで、プロジェクトの情報、ファイル、アップデートを 1 つの場所で追跡して、すべての従業員を成功に導けます。このシステムによってプロジェクトを簡単にカバーして、休暇後にオフィスにより簡単に復帰できます。
これらの予防対策を講じることで、従業員は思いどおりの休暇を過ごせるようになります。この上なく幸せな気持ちで、罪悪感なくくつろげます。
4. ナレッジ ベースを構築する
従業員が業務時間外の時間を最大限に活用できるようにしたいとお考えですか? 会社全体で情報にアクセスできるシステムを構築することで、従業員に連絡不要になります。Trello などの正式なナレッジ ベース ツールを利用して、組織のナレッジ ベースのコンテンツを一元管理しましょう。
ナレッジ ベースとは何でしょうか? アトラシアンではナレッジ ベースを「製品、サービス、部門、またはトピックに関する情報のセルフサービスのオンライン ライブラリ」と定義しています。これは基本的に 1 つの大規模なオンライン カタログで、新入社員または既存の従業員がアクセスする必要のあるあらゆる情報を格納しています。これには、クライアントの詳細、メモ、トレーニング チュートリアル、社内ドキュメント、オンボーディング リソースなどが含まれます。
企業がナレッジ ベースの構築を検討するべき正当な理由は、多数あります (Jan が安心してビーチでマルガリータを楽しめるということも含まれます)。
- 組織で非常に役立ちます。社内のガイド、メモ、トレーニング資料のすべてを追跡するのは、特に大企業では悪夢のような状況です。ナレッジ ベースが構築されていれば、従業員は必要な情報がドライブに埋もれているのか、メールで失われたのか、他の従業員の頭の中にあるのかを解決しようと心配する必要がなくなります。
- 一貫性を保証します。3 人の従業員に特定のタスクを完了する方法を説明してもらうと、全員が出す答えのニュアンスはわずかに異なるものでしょう。ナレッジ ベースでは企業全体で情報の説明方法や学習方法を標準化することで、この問題を解消します。主にクライアントと向き合って各得意先に複数人が関与している場合は、徹底した一貫性が非常に重要です。
- 従業員が自主的に行動できるようになります。常に質問をするように促しましょう。ナレッジ ベースによって、従業員は自分で積極的に答えを見つけられます。マネージャーに連絡して明確な情報を得る必要がなくなって、職場における自主性を促進します。
- 高い費用対効果を誇ります (オンボーディングに最適)。新入社員に同じトレーニングを繰り返すことに相当な時間を浪費しているはずです。それらのトレーニング資料をナレッジ ベースでドキュメントまたは視覚的なコンテンツに変換すると、チームの時間を節約して、よりシンプルで魅力的な学習プロセスを新入社員に提供できます。
優れたナレッジ ベースが構築されていれば、従業員は休暇に出かけられます。自分の代わりに担当している同僚には必要な情報がすべて手元に揃っていることがわかっているため、安心して休めます。
気楽に仕事から離れられるようにする
私たちの世界がリモート ワークに移行するにつれて、従業員が完全に仕事から離れることがさらに難しくなっています。休暇中だけでなく、自宅でも日常的にです。企業は健全なワーク ライフ バランスを促進するために積極的な対策を講じることで、燃え尽き症候群を減らして従業員が罪悪感なく仕事を離れられるようになります。そうすることで、従業員の「つながらない権利」を現在そして将来において守れます。
皆様からのご意見、ご要望はとても大切です。私たちの Twitter (@trello) もチェックしてください!